まず、答えから!
歯が抜けた時は牛乳・生理食塩水・ほっぺたに入れて歯科へ
事故などで歯が抜けた場合は、乾燥を防ぐことがなによりも大切。なので、用意が出来れば、牛乳もしくは生理食塩水に入れてすぐに歯医者さんへ。これらが用意できない場合は、ほっぺたにいれ乾燥を防ぎましょう。
状態によっては抜けた歯でも復活することができます。歯医者さんにいく時間は抜けてから30分以内だと復活の可能性が一番高いです。
歯が抜けた時に絶対にやってはいけないこと。血を洗い、ティッシュでくるむこと
歯が抜けた時は、まず乾燥から防ぐことが大切。そのためティッシュでくるむと歯の組織が死んでしまい、歯の復活が困難になってしまいます。また、歯が抜けた際に、血がついているからと水道で洗うのもダメ。周りの組織が傷ついて死んでしまい歯の復活が出来なくなってしまいます。
歯が乾燥すると、20分で再度歯を植え直す、復活が困難に。
歯が抜けた時1番ダメなのは、接着剤でつけること
接着剤を使うことで周辺の歯を傷つけます。また、誤った位置に接着されることで他の歯の寿命を縮めることになります。歯医者さんでも接着剤を使用しているから接着剤でつける。と考えるのは絶対にいけないことです。歯医者さんで使用している接着剤と市販の接着剤はまったくの別物です。
歯が抜けた場合、“急患”として受け付けてくれる歯医者さんがほとんど。
歯が抜けてしまった場合は、予約なしで近くの歯医者さんに訪れても急患として対応してもらえます。ただ、出来れば近くの歯科医でも口腔外科がある歯科医に行くようにし、電話で現状を伝えてすぐに急患の対応をしてもらえるか確認した方が良いでしょう。
抜けた歯を元に戻して復活させる、再植の場合、費用は2万円ほど
治療費は再植の場合、2万円前後で基本的に自費診療ですが、場合によっては保険が適用されることもあります。抜けた歯の状態によっては再植ができなかったり、再植を行っても上手くいかない場合もありますが、自分の歯を使用するので拒否反応やアレルギー反応がなく、インプラントなどを行うよりも費用を安く済ませる事ができます。
夜中や早朝、年末年始など休みの日に歯が抜けてしまった場合は
診療時間外の早朝や深夜の場合、都心では夜中までやっている診療所や、早朝からやっている診療所もあるようですが、近所で見当たらない場合は救急相談センター(#7119)に電話する方法もあります。医療機関の選定アドバイスや、診療時間までの応急処置の方法などを24時間電 話で相談することが出来ます。緊急であると判断された場合には、救急車の手配もしてもらえます。
以上が歯が抜けてしまった際の応急処置になります。しかし、事故以外で歯が抜けることもあります。以下は事故以外で歯が抜けた際の対処法を解説致します。
日本人の歯が抜ける原因第1位は虫歯!ではなかった??
2007年度の日本人の歯が抜ける原因調査によると、虫歯は32.4%で2位という結果でした。では、虫歯を抑えて1位になった原因は何かというと歯周病です。
日本人の41.8%の方が歯周病が原因で歯を失っているのです。
30歳以上の日本人の8割が歯周病にかかっている
歯周病とは口の中にある細菌が歯垢となり、歯茎の炎症を引き起こし、最終的には歯を支える骨を溶かす病気のことです。骨が溶かされることである日突然歯が抜けてしまうのです。
歯周病はある日突然、やってくる
歯周病のやっかいなところは、最終的に歯が抜けてしまう事ではなく、かなり重度まで進行しないと痛みなどの自覚症状が現れず、気がついた時にはすでに手遅れになっていることです。丁寧な歯ブラシだけでは歯周病の原因を取り除くことは出来ず歯医者さんにいくことでしか予防はできません。
歯周病で抜けた歯は復活することはできない
事故で歯を失った場合は、乾燥させずにおいておけばまた復活することも可能ですが、歯周病で失った歯は復活することができません。また、後に説明しますが、インプラントなどの先端の処置方法も歯周病が原因で歯を失った場合は処置が難しい場合が多いです。
虫歯が原因で歯を失う場合も復活することはできない
虫歯も歯を失う原因になります。虫歯菌が歯を溶かし、最終的に歯の根に到達してしまった場合や歯を割ってしまった場合は歯を抜かなければならないです。このようにして歯を失った場合も抜いた歯を再度埋めなおしたり、割れた部分を元に戻すことはできません。
このように、虫歯や歯周病で残念ながら歯を抜くことになったしまった場合は、次の3つの治療方法があります。
歯を失った後の治療方法はこの3つ
歯の機能をそっくりに取り戻すインプラント
インプラントは抜けた歯の部分にチタンを植え込み、偽物の歯をとりつける治療方法です。入れ歯やブリッジと比較し噛む力や違和感など通常の歯と比較してもわ からない程の機能を回復できる処置法として注目されています。現在も年間に約30万人がインプラントを行なっていると言われています。
デメリットは金額です。自由診療なので保険が適用されず平均的に1本あたり30万円程治療費がかかります。
インプラントの次に噛みやすくなるブリッジ
ブリッジは、抜けた歯の両脇の歯を使い、橋を架けるようにして人口歯を固定する治療法です。両脇の歯に歯科用接着剤できちんと固定されているので、簡単に外れたりすることもなく、1~2週間で治療が出来ます。また、費用もインプラントに比べると安く、金属やプラスティックであれば保険適用も可能です。ただ、ブッリジを架けるために両脇の健康な歯を削る必要があり、健康な歯への負担が大きいというデメリットがあります。
コスパは抜群。でも、デメリットも多いお馴染みの入れ歯
入れ歯は複数の歯が抜けてしまった場合や、ブリッジをかけるための両脇の歯の強度が不十分であったり奥歯である場合などに行われる治療方法です。部分入れ歯であれば周囲の歯で支え、広範囲の場合は総入れ歯で歯茎に直接被せます。健康な歯を削るのが少しで、治療期間も部分入れ歯の場合は2週間程度で行われま す。ただ、取り外しが可能なので手入れがしやすい分、外れやすかったり、入れ歯の隙間に食べかすが入ってしまったり、噛み合わせで痛みを感じることがある といったデメリットが生じやすいとされています。
抜けた歯をそのまま放置してはいけない訳
歯が抜けてしまった場合、前歯ならまだしも奥歯なら放置してもいいかって思いますよね。しかし、抜けた歯をずっと放置しておくと、色々な不具合が生じていきます。
歯は建築物のように、絶妙なバランスを保ち口の中に存在しています。なので、一本でもなくなってしまうと口の中のバランスが一気に崩壊するのです。具体的には、抜けた歯の穴に周囲の歯が移動してきてさらなる歯の病気の原因になったり、かみ合わせから、顎を傷める原因、体調不良の原因になります。
十分に咀嚼ができないことで、栄養をとることが困難になり、カラダが中からやられてしまいます。奥歯で一見見えないから大丈夫と思っていても、歯の抜けた箇所は周辺の歯茎も退化してやせていき、顔の歪みなどにも影響が出てきます。たとえ痛みがなく、直ちに問題が起こらないとしても、抜けた歯は放置せずに、歯科医で適切な治療を受けましょう。
歯が抜けた場合の対処方法まとめ
- 事故で歯が抜けた場合は洗わず、乾燥させず牛乳・生理食塩水・ほっぺたにいれて歯医者さんへ
- 接着剤でつけると、さらなる被害を生むことに
- 急患として受け入れてくれる歯医者がほとんど
- 歯が抜ける原因1位は歯周病
- 歯を失った場合は、インプラント、ブリッジ、入れ歯がある
- 抜けた歯を放置すると、口の中のバランスが一気に崩れる