そもそも歯ぎしりって何??
夜寝ている間に「ギリギリ・・」と音を出して身近な人の睡眠を妨げてしまう歯ぎしり。「歯ぎしりがうるさいんだけど!」なんて起こされて文句を言われても、どうすることもできずに困っている人もいるでしょう。また、歯ぎしりは騒音をたてるだけでなく、歯を早く失う原因になったり、他にも体に悪影響を及ぼす場合もあります。そして、その歯ぎしりを指摘している人だって実は歯ぎしりをしている可能性が大なのです。なぜなら歯ぎしりを自覚している人は全体のたったの10%しかいないと言われているからです。
歯ぎしり(プラキシズム)には種類がある?動作による分類について。
おそらく知っている人はあまりいないかもしれませんが、歯ぎしりには実はいろいろ種類があります。「ギリギリ」するものだけが歯ぎしりではありません。確かに、ひと昔前までは、「歯ぎしり」というと「睡眠時に上下の歯を強い力で音をたてながらすり合わせること」というような定義でした。現在でも国語の辞書ではそのように記載されています。しかし、近年歯科界では歯ぎしりの定義が広がってきており、「えっ、こんなものまで歯ぎしり?」というようなものまで歯ぎしりの範疇に入ってきています。
<歯ぎしりはほとんどの人が知らずにやってしまっている?>
歯ぎしりは専門用語で「ブラキシズム(Bruxism)」と呼ばれており、「異常機能運動(パラファンクション)」や「咬合神経症」と呼ばれることもあります。最近、歯ぎしり(ブラキシズム)は、多かれ少なかれほぼすべての人に起こっていることが分かってきました。つまり「自分はやってない」と思っている人も、実は他人や自分が気づいていないだけで、実は歯ぎしりをしている可能性が大、ということです。
というのも、現在の歯ぎしり(ブラキシズム)の定義は「上下の歯が非機能的な接触を生じている状態」とされており、それはつまり、「食事や会話以外で上下の歯が触れているのは全部歯ぎしりとみなす」ということになります。そう言われれば、「自分も歯ぎしりしている可能性はあるかも」と心当たりのある人もけっこういるのではないでしょうか。
それでは歯ぎしりの種類についてですが、動作の仕方により、次のように分類することができます。これらの型がそれぞれ単独で出る場合もあれば、複合型となって現れる場合もあります。また、歯ぎしりは睡眠中に起こる場合と目覚めている時に起こる場合とで次のように分けられます。
1.グラインディング(Grinding);歯ぎしり型
あごを左右に動かし、上下の歯を臼のようにすり合わせ、ギリギリ、ギシギシ音を出します。睡眠時に多く見られ、ちまたで「歯ぎしり」と呼ばれているものはこれに相当します。
<特徴>
歯が異常にすり減っている、音がする、詰め物が取れやすい、歯がしみる、エラが張っている、などが見られます。
2.クレンチング(Clenching);かみしめ型
上下の歯を強くかみしめるタイプです。音がほとんどしないため気づかれないことがよくあります。スポーツや力仕事などで噛みしめたりする動作が習慣化してしまっています。日中、就寝中どちらでも起こり、自分の体重くらいの力がかかり続けることも珍しくなく、歯や顎などに大きなダメージが加わります。
<特徴>
歯が割れる・ヒビが入る、あごがこわばる、あごの関節の痛みや雑音、周囲の筋肉の痛みやこわばり、詰め物が取れやすい、頭痛や肩こり、頬や舌に歯の跡が付いている、骨にこぶのような隆起が見られる、エラが張る、などが見られます。
3.タッピング(Tapping);カチカチ型
上下の歯をカチカチと合わせる動作です。力のかかり具合は弱いものから強いものまで様々です。
<特徴>
カチカチ音がします。
4.ナッシング(Gnashing);きしませ型
歯を部分的にこすり合わせるタイプのものです。グラインディングが全体的にこすり合わせるのに対し、ナッシングはある特定の歯(部分)でのみ起こります。そのため、限られた部分だけ歯がすり減る、ということが起こります。
<特徴>
音がする、局所的な歯の磨り減り(とくに犬歯、小臼歯)、歯の根元が欠けている(アブフラクション)、骨にこぶのような隆起、などが見られます。
歯ぎしりの分類(睡眠時、覚醒時による分類)
1.睡眠時プラキシズム
眠っているときに起こる歯ぎしりです。睡眠時の歯ぎしりの大半は眠りの浅い「ノンレム睡眠」時に発生することがわかっています。また、中枢性に起こる(脳の指令によって起こる)とされています。
睡眠時の歯ぎしりをセルフチェックする方法
睡眠時に歯ぎしりを行っているかどうか、という判断は他人に指摘されない限り難しいものです。寝ている間に歯ぎしりをしているかどうか、のチェック項目として次のようなものがあります。一つでも当てはまれば、睡眠時に歯ぎしりをしている可能性があります。
- 歯が異常にすり減っている
- 歯にヒビが入っている
- 頬の内側や舌に歯型がついている
- 朝起きた起きにあごがだるい、こわばっている
- 冷たいものでしみる(知覚過敏の)歯がある
- 歯の根元がクサビのようにかけているところがある
- 詰め物や被せ物がよく外れる
- 頭痛や肩こりがひどい
- 疲れが取れない
2.覚醒時ブラキシズム
目覚めているときに起こる歯ぎしりです。睡眠時とは違って無意識で行われるものばかりでなく、意識的に行われる場合もあります。癖になってしまっている場合が多いため、意識をすることで大きな改善が望めます。タイプとしては次のようなものがあります。
- 日中クレンチング(Daytime Clenching)
日中にグーッと強い力で上下の歯をかみしめる行為をいいます。力仕事やスポーツ時に起こることが多いですが、それが癖となってしまって関係ない時にもかみしめる動作が繰り返されることが多いようです。
- ・上下歯列接触癖(Tooth Contacting Habit ; TCH)
日中クレンチングとは違い、強い力をかけずに上下の歯を接触させる癖のことです。通常は食事、会話以外の時には上下の歯は接触せず、前歯で2~3ミリの空隙が開いている状態で安静にしていなければならないのですが、上下の歯を合わせる癖がつくことで、それが長時間にわたると筋肉の疲労や顎関節へのダメージとなり、さまざまな体の不調を引き起こす場合があります。家事をしている時やテレビ・パソコンを見ている時、など何かに集中している時に現れやすいのが特徴です。
歯ぎしりはカラダにどんな影響を与える?
歯ぎしりが体に与える影響としては次のようなものがあります。
1.歯の異常な咬耗(こうもう)
上下の歯が臼のようにこすれ合うことによって、歯が磨り減り、歯の高さが低くなってきます。そうすると磨り減ったところからしみる、顔がたるんで老けて見えるなどの影響がでることがあります。
2.歯の破折
異常に強い力がかかり続けることにより、歯にヒビが入ったり、割れたり、真っ二つに割れてしまうこともあります。
3.歯周病が進行しやすくなる
歯や歯の周囲の組織に過大な力がかかることによって、歯周病の進行に加速がかり、歯槽骨(歯を支えている骨)が急激に破壊されます。
4.詰め物・被せ物が脱離を繰り返す
歯に強い力がかかり続けるため、セメントで強力にくっついているはずの詰め物や被せ物ですら脱離を繰り返します。
5.歯の痛み・違和感
歯に強い力が加わり続けることで、歯の周囲の歯根膜にダメージが加わり、歯の痛みや違和感を出すことがあります。
6.知覚過敏
歯に強い力が加わると、歯の根元が削れてしまい(アブフラクション)、冷たいものや空気がしみてしまう知覚過敏が起こることがあります。また、噛む面が削れることでもしみてきます。
7.顎関節症
歯ぎしりにより筋肉が緊張している状態が続き、筋肉の痛みや顎関節の痛み、顎関節から雑音がする、口が開きにくくなる、などの症状が出ることがあります。
8.頭痛、首・肩こり
咬筋(噛む筋肉)が緊張している状態が続くことから、それにつながる周囲の筋肉も緊張状態となり、痛みやコリの症状が出ることがあります。
9.エラが張ってくる
強く噛む状態が続くことにより、咬筋が異常に発達し、エラが張って顔が大きくなってきます。
10.疲労感
筋肉が疲労することにより、疲れが取れにくくなります。
11.インプラントが壊れる
インプラントに異常な力がかかると、インプラントのかぶせの部分が壊れたり、インプラント周囲炎を起こすとインプラントを支えてる骨が吸収し、抜け落ちてしまうこともあります。
歯ぎしりの原因について
<歯ぎしりの代表的な原因はなんだと考えられている?>
最近の研究では、睡眠時に起こる歯ぎしりの原因は「睡眠中の大脳上位中枢の興奮に由来するもの」とされています。つまり、「脳のストレス原因で起こっている」ということです。かつては、咬合異常(かみ合わせの異常)が原因で歯ぎしりが起こる、という説が主流でしたが、その説は現在否定されつつあるようです。しかし、明確な原因は分かっていないのが現状です。
睡眠時の歯ぎしりの代表的な原因
睡眠時の歯ぎしりは多因子性であるとされ、下記のものが複数組み合わさって起こると考えられています。また、性格によって強い歯ぎしりを起こしやすい傾向があると言われています。
- ストレス
- 性格
- 遺伝
- 抗うつ薬(セロトニン再取り込み阻害薬)の服用
- 飲酒
- 喫煙
- 脳性麻痺などの中枢神経系の疾患
- 睡眠呼吸障害
- かみ合わせの異常
歯ぎしりを起こしやすい性格
- 競争心が強い
- 目的達成のために精力的に働く
- いつも時間に追われている
- 頑張り屋
- 攻撃的
- ストレスを上手に発散できない
覚醒時の歯ぎしりの原因
目が覚めている時のかみしめや歯の接触は、ストレスや緊張を感じている時、何かに集中している時に起こりやすく、またそれが癖となり、日常的に様々な場面で行うようになってしまいます。
- ストレス
- 集中
- 癖
ストレスが原因で歯ぎしりをする?
歯ぎしりを起こす原因として有力と考えられているものに肉体的、精神的ストレスがあります。長期間、ヒトに筋電計(筋肉の興奮度合いを図る装置)を携帯させて行った研究によると、ストレスが多い時に歯ぎしり(ブラキシズム)が多くなることが観察されています。しかし、必ずしもそうとは言えない場合もあり、ストレス以外の原因が歯ぎしり(ブラキシズム)を引きこしていることもあるようです。
ストレス以外の歯ぎしりの原因は?
1.性格や遺伝
家族や一卵性双生児を対象に歯ぎしりの研究が進められており、その結果遺伝的な性格も含めた関与があるのではないか、と言われています。
2.抗うつ剤
選択的セロトニン再取り込み阻害剤の副作用として歯ぎしりが出る可能性が示唆されています。
3.アルコール
飲酒の量と睡眠時に記録された咬筋の緊張時間との間に相関関係がある、という報告があります。
4.タバコ
疫学調査により、タバコと歯ぎしりは関連性がある、との結果が出ています。
5.咬合異常
かみ合わせが悪いと、噛む筋肉の緊張がアンバランスとなり、それが原因で歯ぎしりを引き起こす、という説もあります。
大人の歯ぎしりで考えられる原因は?
大人の歯ぎしりは、肉体的・身体的ストレスが大きな原因と考えられており、性格、遺伝、アルコール、喫煙、抗うつ剤の副作用、かみ合わせの異常なども原因として考えられています。
子供の歯ぎしりで考えられる原因は?
子供もよく歯ぎしりをします。ただ、大人の歯ぎしりとは基本的には原因が違うとされており、あごの位置を決めたり、スムーズな生え替わりをするために必要な「成長に必要なもの」と考えられています。
子供が睡眠中に歯ぎしりをするのですが、原因は?
2~3歳頃
乳歯が全て生え揃ってしっかりかみ合うようになるこの時期は、その感覚信号が脳に伝達され、眠っている間も歯ぎしりをするというふうに考えられています。
4~5歳頃
特に5歳くらいのこの時期は下あごの成長が活発になり、下の前歯が上の前歯の裏側に強く当たるようになります。そのかみ合わせの不安定さから歯ぎしりが多くなる、と考えられています。
<アデノイドが歯ぎしりの原因?>
また、2~5歳頃は鼻から喉に移行する部分にあるアデノイドと呼ばれるリンパ組織の塊がだんだん大きくなっていく時期です。海外では、アデノイドが歯ぎしりの原因になっているという説もあり、アデノイドの手術をすることで歯ぎしりが減ったという報告が多く出ています。
赤ちゃんも歯ぎしりをする?原因は?
赤ちゃんも歯ぎしりをします。赤ちゃんは鼻呼吸をしていて口を閉じているため分かりにくいですが、上下の歯が生えそろうと、あごの位置を決めるために歯ぎしりをしています。
歯ぎしりの治療について
睡眠時の歯ぎしりの原因は人それぞれであるため、現在の時点では「これをやれば確実に歯ぎしりを治せる」という方法はありません。したがって、それぞれの原因に合った治療を試みながら歯ぎしりの抑制を目指していきます。歯ぎしりの治療は主に歯医者で受けることになりますが、現在行われている歯ぎしりの治療法としては次のようなものがあります。
1.スプリント療法(マウスピース療法)
現在最も普及している治療法です。スプリントとはマウスピースの一種で、おもに顎関節症の治療の際に使われます。スプリントにもいくつか種類がありますが、その中でもかみ合わせの力が全体的に均等に当たる、「スタビリゼーション型スプリント(スタビライゼーション型スプリント)」を装着することによって、短期的に歯ぎしりを制御できることがわかっています。ただし、すべての人に対して効果があるわけではないことと、また効果があっても長期的に持続するわけではない、とされています。
しかしながら、このスプリントを装着することで、睡眠時に歯やかぶせ物を歯ぎしりによる強い力から守ることができ、顎関節にかかる負担を和らげることが可能です。このような目的のために使用されるものとして「ナイトガード」も知られていますが、スプリントとナイトガードの違いは何かと言うと、
- スプリント;主に顎関節症の治療のために、かみ合わせの力を全体に分散させるもの
- ナイトガード;睡眠時に歯ぎしりから歯を保護するもの
簡単に言うとこのような違いですが、実際に両者を厳密に区別することは難しく、一般的にはただ、「マウスピース」「ナイトガード」と呼ばれることも多いようです。
2.薬物療法
歯ぎしり抑制効果がある薬としては次のようなものがあります。
- 筋弛緩薬(筋肉の収縮を抑制する薬)であるジアゼパム(商品名;セルシン、ホリゾン)やメトカルバモール(商品名;ロバキシン、ドキシン)
- 抗てんかん薬、筋弛緩薬であるクロナゼパム(商品名;ランドセン、リボトリール)
- 降圧剤(血圧を下げる薬)であるクロニジン(商品名;カタプレス)
これらの薬には、歯ぎしりを抑える効果があることがわかっていますが、薬物依存や副作用などの問題で長期的には使えません。
3. ストレスマネージメント療法
歯ぎしりはストレス発散の目的で行われている場合が多いことから、ストレスをコントロールする、という方法も効果的な場合があります。ストレスの原因となる生活を改善する、寝る前にストレッチをする、アロマテラピーなど、リラックスする方法は人それぞれですが、自己解決が難しい場合には心療内科などでカウンセリングを受ける方法もあります。
4.バイオフィードバック療法
バイオフィードバックとは、例えば、血圧が高い人が血圧測定の結果、検査値が正常範囲より高いことを数値で知り、その結果をもとに改善に努める、というようなことです。歯ぎしりの場合、フィードバックの方法として、携帯型の筋電計を咀嚼筋(例えば側頭筋にあたるこめかみ)の部分、また補聴器型のようなものを耳につけ、歯ぎしりなどの異常な運動が起こった際に補聴器からブザーが鳴って歯ぎしりをしたことが知らされる、というような装置があります。
<筋電計による治療?>
2013年に日本歯科医師会雑誌に掲載された明海大学歯学部の藤原教授らの研究によると、日中の歯ぎしりを自覚する人に対して筋電計を4日間装着し、バイオフィードバックトレーニングを2日目と3日目に行ったところ、トレーニングを行わなかった4日目でも歯ぎしり減少の効果が見られました。また、トレーニングの終わった1ヶ月後に筋電図を測定したところ、4日目のレベルを保ち続けていることがわかりました。
<日中の自覚が大切?>
また、歯ぎしりを自覚している人の場合、日中の歯ぎしりと夜間の歯ぎしりに大きな相関関係があることもわかりました。つまり、歯ぎしりの自覚のある人は、日中にバイオフィードバックトレーニングを行うことにより、夜間の歯ぎしりが少なくなる可能性が高いということが考えられるのです。このバイオフィードバックトレーニングは副作用がない安全な治療法であり、今後が期待されます。
ちなみに睡眠中の歯ぎしりに対してもバイオフィードバックトレーニングを行う装置はありますが、歯ぎしりのたびに微弱な電流やブザーがなることで睡眠が妨げられたり、トレーニングをやめた途端に効果がなくなることから、普及には至りませんでした。
5.かみ合わせの治療
歯ぎしりの原因がかみ合わせの不均衡からきていることが疑われる場合には、かみ合わせの治療が行われることもあります。かみ合わせによっては歯列矯正治療が勧められることもあります。
6.低周波治療
理学療法として、マイオモニターという低周波治療器を使って筋肉の緊張を少なくする方法があります。
7.ボツリヌス毒素治療
ボトックス注入療法とも呼ばれています。シワ取りの治療として美容外科で行われることの多い治療法ですが、アゴの筋肉に注射することで、ボツリヌス菌が作り出す毒素が筋肉を麻痺させて、歯ぎしりを抑制する方法です。一度行うと数ヶ月の効果が続くとされ、アメリカでよく行われていますが、日本の歯科でも少しずつ行っているところが増えてきています。ただ副作用が起きる場合があります。
8.飲酒や喫煙に対する指導
歯ぎしりの原因が飲酒や喫煙と考えられる場合には、摂取を控える指導が行われます。
9.薬の変更、中止
歯ぎしりを引き起こす抗うつ剤を中止し、変更すると歯ぎしりが改善する場合があります。
10.漢方薬
漢方薬で体質改善をすることで歯ぎしりが改善する場合もあります。主に次のような漢方薬が使われます。
- 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
- 加味逍遥散(かみしょうようさん)
- 抑肝散(よくかんさん)
- 六味地黄丸(ろくみじおうがん)
- 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)
歯ぎしりの対策はどんなものがある?
自分でできる歯ぎしりの対策には次のようなものがあります。
1.認知行動療法
歯ぎしりの癖があることを自覚することで改善を行う方法です。仕事や何かに夢中になっている時にかみしめていたり、上下の歯を合わせたりしていないか、をまずは確認してみましょう。もしもそのような行動がある場合、すぐにやめるようにし、顎をリラックスさせましょう。また、癖になっていると、知らず知らずのうちにまた行ってしまいますので、目につきやすい場所に「歯を合わさない」などと書いた付箋紙でも、色付きのシールでもいいので、貼るようにしておくと効果的です。
日中に歯を合わせる癖やかみしめがなくなると、筋肉の緊張が取れ、夜間の歯ぎしりも減ることがわかっています。そして、布団に入ったら、「強く噛まない」と念じる自己暗示をしたり、余計なことを考えないようにするのも歯ぎしり防止に効果があります。
2.ストレスのコントロール
ストレスを溜めないことは非常に大事です。ストレスを解消できる方法をいろいろと試してみましょう。例えば、眠る前のストレッチ体操、アロマテラピー、湯船にゆっくり浸かる、スポーツをしてみる、好きな音楽を聞く・・など自分に合う方法を探してみましょう。
3.筋肉マッサージ
筋肉の緊張をほぐすために、顔のマッサージをするのも効果的です。アロマオイルを使うと、リラックス効果も期待でき、より高い効果が期待できるでしょう。
4. 歯ぎしりに効くツボ押し
不眠に効くツボが歯ぎしりにも効果があるとされています。次の3つのツボがあります。
- 四白(しはく);瞳の真下のくぼみから約1センチ下
- 陽白(ようはく);瞳の中心から眉毛を通り、親指一本分上
- 蘭尾(らんび);足の三里(向こうずねの骨の外側を膝から9cm下がったところにある凹んだ場所)からさらに下6cmほどの場所。押すと強く痛む場所。
5.枕を低くする
高い枕は顎を引いた状態になるため、歯ぎしりをしやすくなります。枕をしないで眠るか、顎を引かない状態で眠れるように枕を調整しましょう。適度な高さを知るには、タオルを丸めて首の下に置いてみるとよいでしょう。
まとめ 歯ぎしりの原因で知っておくべきことは?
歯ぎしりそのものは、体に悪いストレスを発散させるためにある程度は必要であると言われています。ただ、それが歯や体に悪影響を及ぼさないようにすることが大事です。度がすぎると歯を早く失う原因になったり、顎関節を傷めてしまったり、他の体の不調も起こしかねないからです。そのためには、溜まりすぎたストレスをうまく別な方法で発散させる、また、歯ぎしりを起こす原因になっているストレス以外の原因を排除する、ということが重要になってきます。
ただ、歯ぎしりは原因がはっきりしない場合も多く、原因が分かっているとしてもなかなか原因の排除がうまくいかない場合もあるため、マウスピースを使って歯やあごへのダメージを最小限に抑えつつ、原因を取り除くアプローチをすることが大事です。
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