一日に数回、歯ブラシを手に取り歯磨き粉のチューブを絞ってブラシにつけ、歯をゴシゴシ磨くこと・・・。毎日ふつうに何気なくしている事ですよね。
ところが、昔の日本には、いま私たちが使っているようなプラスチックの歯ブラシや歯磨き粉はありませんでした。
房楊枝と呼ばれるもので歯を磨いていたんです。房楊枝とは、竹や杉など細く切って先端をかなづちで叩き、柔らかい房状にしたものです。
実は今でもある国々では、こうしたもので歯を歯磨いています。プラスチックの歯ブラシ代わりに天然の歯ブラシを使用しているのです。
しかも彼らの歯はとても健康的で白いと定評あり。一体どうやってお口をきれいに保っているのでしょうか?
驚き!歯磨き粉も歯ブラシも使わない国があった!?
まず、アフリカはセネガルです。ここの歯ブラシは、ウォルフ語でソッチュと呼ばれる木の枝です。
店には歯磨き粉や歯ブラシも販売されていますが、誰もがこの小枝を口にくわえて歯を磨くのが好きなようです。道端で枝をくわえている人に出会うと一瞬、タバコを吸っているようにも見えるけど、実は歯磨きタイム~!
枝をナイフで削り、歯をゴシゴシと磨くのですが、顎が鍛えられそうです。
同じくアフリカ、ガーナでも歯ブラシの代わりにニームという小枝を使います。
道端で子供が束ねたニームの小枝を売り歩いています。口で小枝を爪楊枝のようにくわえ、先端を奥歯でよく噛んでブラシのようにボサボサにします。
それで歯茎や歯の隙間をブラッシングするのです。この小枝で歯を磨くと天然のホワイトニング効果もあるとか。しかも滲み出た樹液は飲み込んでも大丈夫、かえって薬用効果があって体にも良いそうですよ。
そして、インド。ここでも、ニームまたはニンバと呼ばれる天然の歯ブラシが使われています。
長さ20cmくらいの枝を10分位、噛み噛みして先の部分を潰していきブラシ状にします
実はこのニーム、インドではどこにでもある大きな木でポピュラーなハーブなのです。
木の枝は歯を磨くために使ったり、葉っぱはお茶にしたり、オイルを抽出したり、粉末状、タブレット状の薬にもなっていて万能薬として用いられています。
味はかなり苦いらしいですが、殺菌効果、血液の浄化、毒素を排出する効果があるそうですよ。そのためニームは、「村の薬局」「肌の女王」と呼ばれているほどです。
歯磨きはどこの国でも大切な習慣
枝を使った歯ブラシは、いろんなメリットがいっぱい。一つは、毎日新鮮な小枝を使用でき、使い捨てがきく、という事。かえって毎日同じプラスチックの歯ブラシを使う方が清潔さを保つのが難しいかもしれませんね。
そして枝を噛むことにより、薬用効果のある樹液が染み出し、炎症などを防ぐことができます。また噛むことが、歯茎と歯の運動となり口の中は清潔、口臭も無くなります。
昔から伝わっている木の繊維質と樹液を使った天然歯ブラシ、今では超エコで、オーガニックな歯ブラシと言えますね。