細かな段階別に応じた虫歯の症状を具体的に教えて下さい!
虫歯の段階を表す用語は、きっと皆さん一度は検診などで耳にしたことがあると思います。
一般的に虫歯の進行段階は5段階で表されます。
CO;シーオー
「シーゼロ」と間違って読まれがちですが、これはゼロではなくObservation(観察)の頭文字のO(オー)なのです。要観察歯とも言われ、ごく初期の虫歯ではありますが、お手入れ次第によっては治ってしまうこともあるため、基本的には削らずに経過観察をします。
痛みは?
この段階では全く痛みはありません。
見た目は?
初期虫歯の部分が透明感のない白い色になります。点状や帯状になることもあります。
C1;シーワン
虫歯で歯が溶かされた状態が、歯の最表層であるエナメル質にまで達した状態です。
痛みは?
痛みはほとんどありません。ときどき冷たいものがしみることもあります。
見た目は?
歯の表面に茶色や黒い着色がみられることが多いです。着色だけ見えることが多く、穴はあってもごく小さなものです。
C2;シーツー
エナメル質の奥の象牙質まで歯が溶かされた状態。
痛みは?
甘いものや冷たいものがしみるようになります。
見た目は?
歯の内部に透けて見えるような黒い着色がみられます。見た目ではっきりと穴が確認できることも多いです。
C3;シースリー
虫歯が神経に達して、歯髄炎を起こした状態です。
痛みは?
温かいものがしみ始め、冷たいものではあまりしみなくなってきます。そのうち脈打つような激痛が現れます。あまりに痛いと、どこが痛いか場所が特定できなくなることもあります。
見た目は?
見た目はC2と変わらない場合が多いです。
C4 ;シーフォー
歯が大きく崩壊し、神経は死んでしまって痛みを感じなくなってきます。
痛みは?
神経が死ぬため一旦痛みは落ち着きますが、放置していると歯の周囲に感染が及んで痛みや膿んだりなど、さまざまな感染症状を出すことがあります。
見た目は?
歯は大きく崩壊し、大きな穴が開きます。崩壊の程度が大きいと歯がなくなったようにも見えます。
それぞれの症状に応じた自宅や歯科医院での治療法を細かく教えて下さい
CO
自宅では、本格的な虫歯にさせないように、食事の仕方やブラッシングなどに注意をはらいましょう。フッ素の入った歯磨き粉を使うとより予防効果が高まります。歯科医院では削らず様子を見ます。
C1
この段階になると早めに歯科医院での治療が必要です。治療自体痛みもなく、削って詰める簡単な治療で終わらせることができます。1回で終わります。
C2
明らかな症状が出ますので、しみる症状がでたら早めに歯科医院で治療を受ける必要があります。通常削ると痛みますので麻酔をして削って詰める治療になります。1〜2回で終わります。
C3
一刻も早く神経の治療が必要です。痛みがひどい場合は鎮痛剤が効きづらいことも多いです。なるべく痛みを軽減するためには患部を冷やしたり、歯ブラシで食べカスを取り除いたり、鎮静作用のある正露丸を歯に詰めておくと痛みが和らぐことが多いです。
歯科医院では麻酔をして神経を取る治療を行います。神経を取り除いた後に薬を詰め、落ち着いたら被せ物などの処置に入ります。通常数回の来院が必要です。
C4
痛みが治まってきますが、来院を後延ばしにするのは絶対にやめましょう。感染がどんどん広がるからです。自宅では食べカスが奥に詰まって痛みを出すことがあるので、食後はよくうがいをして食べカスをこまめに洗い流すようにしましょう。歯ブラシを突っ込むと逆に奥に詰まらせ、痛みを出す原因になることがあるのであくまでもうがいにとどめましょう。
歯科医院では、歯の崩壊程度に応じて根の治療を行って被せ物をするか、保存できない場合には抜歯を行います。
何の症状もないけど、虫歯の可能性もある?
時々、「痛いところがないから虫歯がない」と思っている人がいます。「虫歯=痛い」というイメージがあるからなのでしょうが、COやC1のように、全く痛くなくても虫歯のことだってあるのです。なかにはC2であっても、表面が詰め物などで覆われて外部の刺激が伝わりにくい場合などは全く症状を感じないことも珍しくありません。
痛いところがないから歯医者に行かない、というのは大きな間違いです。
症状が出てからでは大事な神経を取ることになったり、取り返しのつかないことになることも多いのです。
まとめとして、その他虫歯の症状で知っておくべき情報はある?
命に関わることもある
虫歯は放っておくと歯を失うことになる、ということは誰でも知っていることでしょう。しかし虫歯は「ただ歯を失うだけ」ではありません。放っておくと虫歯の細菌が全身を巡って命に関わることだってあるのです。そうなる前に早め早めに対策を取ることが大切になります。
「なるべく削らない」治療とは
また、近年では「なるべく削らない」という治療法を実践している歯医者さんも増えています。歯科医療技術の発達、材料の発達などによって、なるべく大切な歯を残すことが可能になってきています。
予防が肝心!
しかし、大切な歯を守る一番の方法はやはり、予防です。一旦削ってしまうとどうしてもいずれ虫歯の再発がおこりやすいためです。ぜひ「虫歯にならないように」毎日のケアを念入りに、また定期的に歯科で検診やクリーニングを受けるのが確実だと言えるでしょう。
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